瀬戸内国際芸術祭2019@男木島タコ作品編

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「瀬戸内国際芸術祭2019」の会期、会場に関しては、以下の関連記事をご覧下さい。

瀬戸内国際芸術祭2019

「瀬戸内国際芸術祭2019」の秋会期中に、会場の一つ男木島に行ってきました。

男木島とは

迷路のように入り組んだ坂道に建つ家々が独特の景観を生み出す男木島。島のどこから見た景色も美しいと言われるビュースポットの宝庫です

(「瀬戸内国際芸術祭2019」公式パンフレットより)

「鬼ヶ島」のモデルと言われる近隣の「女木島」(めぎじま)と夫婦島。面積約1.34k m2。人口約165人。島は平地が少なく、急勾配の傾斜地に石垣を組み、その上に家屋が建てられています。また、猫がたくさん住み着いている「猫の島」でもあります。

私個人的には、伝統的なタコ壷漁を続けている「タコの島」として注目していました。

2010年、瀬戸内国際芸術祭の開催および動物写真家、岩合光昭さんによる島の猫を撮影した写真集により、広く一般に知られる人気の島となっています。

男木島へのアクセス

各方面から様々なアクセス方法がありますが、一般的なのは、高松港からフェリーを使用する方法です。

JR高松駅から徒歩約7分。高松港高速船、フェリー乗り場脇にあるチケット売り場にて乗船券を購入。乗船人数には定員があるので、チケット購入も乗船のための列も、時間に余裕を持って行動することがオススメです。

高松港ー男木島港間は約40分。途中 女木島を経由します。

高松港からフェリーで。男木島に到着。
公式作品展示地図

作品は、港から徒歩圏内の町中に点在しています。事前情報によると、全て観る平均所要時間は、約2~3時間との事(混雑時を除く)。

また鑑賞の際は無料と有料の作品があり、鑑賞パスポート等も販売されています。単独の際は一作品300円で鑑賞できます。島ではクレジットカード、ICカード類が使用不可なため、小銭中心の現金が必要となります。

それでは、予め調べておいたタコ作品を中心に、島を散策します。



og02「タコツボル」TEAM男気

遊具を空地に設置し、子どもの遊び場に

島の伝統であるタコ漁に使うタコ壷をモチーフとした遊具を制作し、港そばの空地に設置。この島には少ない子どもたちのための居場所、遊び場として解放する。芸術祭以来、男木島には移住者が増えつつあり、休校だった学校も再開した。そこで、子どもたちの成長を願い、未来に向けたプロジェクトを展開する。

(公式リーフレットより)
フェリーから眺める。

巨大な蛸壺アート。フェリーの船上からも見えます。

チーム男気のサイン。

タコ壷の中には大ダコが潜んでいます。

センサーで目が光ります。

タコ壷の中から外を見る。

壺の周辺はタコの触手が描かれています。

この小さなタコ壷は、元タコ壷製造をしていた山口県の窯元の三代目に頼んで焼いてもらった貴重なタコ壷との事。

タコ壷を含め、広場になっています。

吸盤がアクセントになっていますね。

秘密基地の旗のようにタコがはためいています。



og04「うちの海 うちの見」サラ・ヴェストファル

時間と知覚、そして人の記憶を探求する瞑想空間

空家の中に、光と映像によってあたかも海景のようなインスタレーションを発表する。光を水に反射させることで瀬戸内海を光の海として表現する。暗闇に潜むタコの巨大な触手が観客と息を合わせるかのように動く。人の知覚に訴える空間をつくり出す。

(公式リーフレットより)

この診療所のような扉の向こうが展示室です。

暗幕に覆われていて、目がなれるまでに少し時間がかかります。定員6名。椅子に腰掛けての鑑賞です。

左手奥、戸の向こうに何かのシルエットが。

よく見ると猫でした。

右手のスクリーンには、元気に動き回るタコ。

手前が水の張った空間。海を表しているのでしょう。

空家に猫、蛸、海。。。

まさしく「男木島」を表現しているインスタレーションです。いつまででも観ていたくなります。



og06「オンバ・ファクトリー」

カラフルに塗装され装飾された乳母車

坂道や細い路地が多い男木島ではオンバ(乳母車)が行き交う。そこで住民が所有するオンバを作品化し、日常的に使ってもらっている。

(公式リーフレットより)

島の人も用途に応じたオンバを使用しています。

各種オーダーも受け付けているそうです。

素敵なタコのオンバを発見!

こちら販売中です。

両サイドにも海の生き物が描かれています。



og15「部屋の中の部屋」大岩オスカール

不思議な空間に驚く人が多い

部屋の中に、90度回転した部屋が出現。床であるはずの面が壁だったりといった不思議空間が楽しめる。

実地設計=林幸稔(VAKA)

協力=有限会社中村節朗石材

(公式リーフレットより)
かつての家の主人。自身の名字の一文字を特注瓦にしている。

玄関で靴を脱いで上がります。定員6名。

奥の和室が展示会場。騙し絵のような不思議な空間。

実際の見え方。

写真を90度展開するとこのような感じ。

写真を転回したところ。

そして、この襖絵も騙し絵。

青い大ダコが描かれています。

青ダコが!

実際にこの和室に座ると、落ち着いた居心地が良い空間です。青ダコも襖4枚分に描かれているので、実際かなり迫力がある美しい絵でした。



もともと人口減少により空家が増えたことも悩みの種となっていた男木島。その空家をうまく活用して芸術祭に使用することによって、町の活性化に繋がっているようです。

作品を巡りながら路地を進み振り返ると、どこの景色も実に魅力的です。

芸術祭を機に島の魅力を知り、移住する若い世代も増えているとの事。町の人々も、訪れる観光客との触れ合いを大切に、芸術祭を楽しんでいるそうです。

「アートで町の活性化を」とはよく聞くフレーズですが、一過性のイベントではなく、継続的な地域の活性化に繋げていくのは大変な努力が必要だと思います。

男木島を訪れて、この島では その努力をされているのだと実感しました。引き続き次の世代に繋がる活動として展開していくことと期待します。