タコ根付 Netsuke

タコグッズ、アート

タコの根付

発見日:2018年 7月上旬

発見場所:上野公園内 骨董市

サイズ:幅 約3.5㎝、奥行 約5㎝、高さ 約2.5㎝

材質:柘植

時代:現代モノ

銘:玉石

上野公園内には、週末に骨董品の市が立っています。弁天島から不忍池の東側にかけてテントが並びます。

その中で、不定期ですが、タコモノを発見できます。

扱っているお店も毎回違いますし、扱っているモノも違います。

懸命に探して空振りの時も、偶然大当たりの時も様々です。

あまり愛想の良くない店主の前で、無造作に置かれた数多くのお宝の中からタコものを探し出す根気も必要ですが、お気に入りに出会えた時の満足度はかなり高いのです。




そして今回発見したのは、この根付。

根付とは。

江戸時代にタバコ入れ、矢立て、印籠、小物入れなどを帯から吊るす際に使われた留め金。江戸時代から近代にかけての古根付と、昭和、平成の現代根付に大別される。
簡素だった江戸時代初期のものに比べ、爆発的な人気となった後期には、細かい装飾が施された美術品としての人気も高まる。
その高い芸術性が人気で、特に海外に蒐集家が多く存在する。

(Wikipsdiaより抜粋。詳細はhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A0%B9%E4%BB%98    

タコは、そのユーモラスな姿から、根付のモチーフとして人気があります。

象牙、フェイク象牙、柘植、紫檀などで作られています。

今回のタコ根付の素材は、柘植とのこと。

柔らかい素材なので、軟体系のタコを美しく彫り込んでいます。

使用感のある光沢が、タコのぬらりとした質感とマッチして、これまた良い味を出しています。

全くの左右対称ではなく、それぞれに表情があるところが、手彫りの良さ。

裏側の腕(脚)部分も細かく吸盤等の彫り込みがされています。

根付特有の紐通し部分も見えますね。

そして、頭部に何やら文字が見えます。

反対側から見ると「玉石」とあります。

タコを掘った人のいわゆる「銘」になります。

この「玉石」さん。

いろいろ調べて見ると、どうやら日本でなく香港の方のようです。

明治以降、根付人気が激減した日本に変わって、中国や香港などアジア圏では日本からの根付が活発に流通したり、その人気にあやかって、日本人の程で掘られたお土産用の根付が多数存在しています。

これもその一つかと思われます。

骨董品としての価値というより、タコの木彫り作品の一つとして、お気に入りとなりました。