atoa
名称:atoa 所在地:〒650-0041 兵庫県神戸市中央区新港町7-2 ポートミュージアム2~4F 開館日:2021年10月29日 公式Webサイト:https://atoa-kobe.jp/(営業日、営業時間等は公式Webサイトでご確認の上お出かけ下さい。感染状況等により事前チケット購入が必要な場合もあります)
atoaのコンセプトは”AQUQRIUM× ART” アクアリウムとアートが融合した新感覚の都市型水族館。”幻想的で独創的な世界を感じる”水族館です。
水槽、洞窟、精霊の森、宇宙など、生命が存在するあらゆる世界をアーティスティックな空間で展開。来場者は映画や舞台のワンシーンに入り込むような感覚で、飼育展示されている生き物と対峙できるのが特徴となっています。近年流行のアート型水族館の一つ。アート面ばかりでなく生物飼育展示にも力を入れているとか。開館当時は”魚類。無脊椎動物、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類等、約100種類3000点の生き物たちと出会える”と説明。どのようなものか、実際に行ってきました。
KPM(神戸ポートミュージアム)2F が入り口になっています。
2F
◉CAVE/はじまりの洞窟
最初のゾーンはインスタ映えするライティングが魅惑的なエリアで、かなり多くの来場者が留まるため撮影できませんでした。
◉ELEMENTS/精霊の森
◯オキナワシリケンイモリ
赤ちゃん誕生を手書きボードでお知らせ。飼育員さんたちの生き物愛が感じられます。
◯ハダカデバネズミ
広めのトンネル施設が設置され、その中で活動する様子を観察できます。
◯ゾウガメ
このゾーンは面白かったです。まずここが、ゾウガメのベースキャンプ。こんな狭い場所に閉じ込めるなんて、と思いきや。
閉じ込めてはいません。出入り口が解放されているのです。
このフロア中央の木の根元に、ゾウガメのエサとして草が置いてあります。
ゾウガメは自身の意思で自分のベースキャンプを出て行き、
興味の赴くまま、フロアを歩き回り、
草を食べるのです。スタッフさんに確認したところ、よくある例えば「ゾウガメのもぐもぐタイム」のような管理されたタイムスケジュールはないとの事。ゾウガメの自由意志任せ。動きたい時、食べたい時のみ勝手にフロアに出て、要求を満たすとベースキャンプに戻って行くそうです。これはゾウガメの運動不足解消と、お客さんがすぐ間近で観察できる一石二鳥を狙ったアイディア。(ゾウガメに触る事は禁止されています)
もちろん担当スタッフは交代に付きっきりでサポート。ゾウガメと来場者双方にトラブルがないよう、常にそばについています。ゾウガメの動きに合わせてお客に声をかけたり、お客は気軽にスタッフに質問できたり、フレンドリーな会話が自然に生まれていました。
AIのキャラクターと遊ぶ 「ATOA CHATTER」もありました。
◉MARINE NOTE/生命のゆらぎ
1番水族館らしいゾーンかもしれませんね。大きめの水槽が置かれていますが、全体的にゆったりとした配置。
とはいえatoaらしく、壁際が映えスポットに。水の揺らぎを表すライティング。
◯テンジクザメ
飼育展示スタッフさんの心意気を感じる手書きボード。
◯ネオンテンジクダイ
◯ハナミノカサゴ
◯カリビアンシーホース
おそうじ隊の表示も嬉しいところ。
◯ヘコアユ
3F
◉FOYER/探求の室
ここはフロアコンセプトが雑然とした印象。入って右手には、4Fまで繋がるオーバーハンギングの水槽があり、カピバラ等が泳いでいます。そして中央の水槽にはピラルク。私が大好きな「蛸富士」の絵(下記の記事参照)の下にはポルカドット等が。開館当初はタコ画の近くでマダコを飼育展示していた記憶があるのですが、変更されたのでしょうか。壁画に象徴される頭足類が飼育展示されるフロアになると嬉しいですね。
◉PLANETS/奇跡の惑星
atoaの象徴的なこの水槽。国内最大級の球体水槽で、その名も「AQUA TERRA」。宇宙空間の中に浮かぶ地球のようでもあり、深海に沈む竜宮城のようでもあり。ライティングと音のショータイムがあります。
ショーアップされなくても美しい水槽内。
お掃除隊の紹介も嬉しい。
◉MIYABI/と灯の間
ここは予想以上に美しく幻想的な空間でした。
日本の四季に合わせて、画面とライティングが変化していきます。国外観光客向けの構成かと思いますが、なかなか楽しめます。
個人的な希望を言えば、せっかく水族館なのだから、四季の中に生き物(特に水棲生物)のビジュアルも入れていただきたかった。
足元の池のような水槽には鯉。
水面を歩いている感覚を楽しめるこのガラス水槽は、その名も「MINAMO」。下には鯉が自由に行き来しています。
こちらは金魚。最低限のキャプションはありますが、このライティングの中では読めませんね。インターバルの際に確認。
水面に浮かぶ鯉と金魚とのコラボレーションだけではない特徴が出ているとさらに良いのに。
◉GALLERY/探求の回廊
ここでは壁面で自然写真展を開催中。水槽の飼育展示生体のコンセプトは不明ですが、珍しい生体の数々が。
動線の途中にはこんなパネルも。海の環境を守るための啓蒙活動の一環ですね。
階段の壁画でムラサキダコ発見!
こちらはメンダコ。
タコでもイカでもないヴァンパイアオクトパス。
4F
カピバラやペンギンが居ます。カフェもあり。屋上ではこんな景色も堪能。
今回ご紹介した施設、生き物は一部です。予想以上に珍しい生体も多く、飲食店やミュージアムショップも充実し、年齢や国籍を問わず楽しめる水族館だと思います。
集客装置としての水族館として興味深い一方、生体を飼育展示する事、生物や環境への啓蒙活動との兼ね合いが難しいですね。現飼育員さんたちは、限られた人数や条件の中でかなり工夫を凝らしているように思いました。今後の展開にも注目です。