
オクトパス君像@すがも鴨台観音堂(鴨台さざえ堂)
名称:すがも鴨台観音堂(おうだいかんのんどう) 別名:鴨台さざえ堂 本尊:聖観自在菩薩(しょうかんじざいぼさつ)…天頂階に安置 制托迦童子(せいたかどうじ)…1階入口に安置 所在地:東京都豊島区西巣鴨3-20-1 大正大学内(11号館) 落慶:2013年(平成25年)5月18日(土) 設計施工:株式会社大林組 監修:榎本了壱氏 公式Webサイト:https://ohdai-sazaedo.jp/
すがも鴨台観音堂とは

2013年(平成25年)5月に完成した仏教文化施設。八角三層のお堂。大正大学の構内にあります。大学の建学の理念「智慧と慈悲の実践」に重ねて具現化すると同時に、地元巣鴨の地域や、訪れる参拝者との交流の場としての役割を目指しています。
公開時間内は拝観自由。内部の写真撮影は禁止です。1階の入口正面には不動明王の従者「制托迦童子(せいたかどうじ)」、頂上階にはご本尊「聖観自在菩薩(しょうかんじざいぼさつ)」が祀られています。御朱印もありました。
建物は二重螺旋構造。往路の登り階段の壁面に、「般若心径」の真言を表す17文字の梵字が書かれており、階段を登る事で「般若心径」を読んだと同じ功徳が得られるとされています。
・庚申塚通り側から。
・大正大学の建物に囲まれて建っています。
・建物中央の赤色や緑色は、下り階段部分。日本画家千住博氏作、色彩が施された「色滝」の壁です。夜間はステンドグラスのように鮮やかな色彩が浮かび上がるとの事。見てみたい!
・構造が似ていることからその通称がついたさざえ堂。
・二重螺旋構造で、堂内の回廊の往路上り階段と復路下り階段は交わりません。往路登り階段を3回巡ると頂上階に着きます。
・ちなみに、現存する最古のさざえ堂は、福島県会津若松市にあるもの。1796年(寛政8年)建立の木造建築。国の重要文化財です。
・同敷地内に、東日本大震災で被害を受けた福島県と宮城県にゆかりのある施設(さざえ堂とオクトパス君)があるのは、感慨深いものがありますね。
そして、観音堂のお隣に座していたのがこちら。南三陸のキャラクター、「オクトパス君」です。
オクトパス君とは
2009年に誕生した宮城県南三陸町のご当地キャラクター。南三陸町の志津川湾は日本有数のマダコの産地。「西の明石、東の志津川」と言われるようにマダコのブランディングに力を入れています。
2009年から町の観光協会では、PRの一つとしてタコをモチーフとしたグッズを制作。(当時はまだ「オクトパス君」という名称はなし。)それが文鎮「ゆめ多幸鎮」でした。受験のお守り「オクトパス=置くとパス」(置くと試験にパス=合格する)として人気に。
事業も軌道に乗ってきた矢先、2011年3月11日の東日本大震災による大津波が発生。南三陸地方は大打撃を受け、「ゆめ多幸鎮」の生産工場、販売拠点、在庫も全て流されてしまいます。
震災後しばらくして、地域や人々の経済や気力が復活するきっかけにと、有志による「ゆめ多幸鎮」制作の活動が徐々に始動しました。
その後、「オクトパス君」も正式にキャラクター名として登録。「ゆめ多幸鎮」のバリエーションも増え、徐々に関連グッズも拡大。「オクトパス君」のキャラクター着ぐるみも新たに作成。ご当地キャラクターの人気投票に登場したり、全国各地に地域の生産品とマーケットを開いたりと、志津川の、南三陸の、宮城県の、東北のPR部長として活躍しています。
なぜ大正大学にオクトパス君像があるのか

2011年東日本大震災発生後の4月、大正大学は学生と教員約150人のボランティアを南三陸町に派遣。支援活動を通じた現地の方々との交流の中で、「ゆめ多幸鎮」を南三陸の、ひいては東北の復興シンボルにする案がきっかけとなり「南三陸復興ダコの会」が発足。
同年11月9日、大正大学は南三陸町の入谷八幡神社に、オクトパス君のブロンズ像を奉納。同じ像をこの大正大学敷地内に設置したのです。
南三陸の地に想いを馳せながら、巣鴨でもオクトパス君に願い事ができる貴重な場となっています。
鴨台観音堂とオクトパス君は、心のパワースポット。折に触れ再訪したい場所です。