「タコの心身問題」@ピーター・ゴドフリー=スミス著/夏目大訳

オススメ記事, タコ学

「タコの心身問題」

 

著者:ピーター・ゴドフリー=スミス Peter Godfrey Smith

訳者:夏目 大

単行本:312ページ

出版社:みすず社

発売日:2018年11月17日

原題:「OTHER MIND」The Octopus, the Sea, and the Deep Origins of Consciousness

 

 

内容紹介

進化はまったく違う経路で 心を少なくとも二度、つくった。

人間とはまったく異なる心と知性をもつ生命体ー頭足類。なぜこんなに賢いのか?

タコになったらどんな気分か?

彼らと私たち、二つの心の本性を合わせ鏡で覗き込む。(本書 帯紹介文より抜粋)

 

タイトルや帯紹介文にある通り、本書はタコの生態を紹介する内容ではなく、タコの生態を通して、その思考や心のあり方を推察しています。

そうすることで、生物学的には頭足類と対極に位置する脊索動物(代表的なのが人間)の心のあり方を追求していきます。

大学教授である作者ピーター・ゴドフリー・スミス氏の専門分野が生物哲学、科学哲学、心の哲学であり、さらに熟練のスキューバダイバーであるため、そのユニークな視点から生まれた著書です。

 

海で生まれた単細胞生物から、現生のタコやイカへの進化の道筋を一歩ずつたどれば、そこには神経系の発達や、感覚と行動のループの起源、「主観的経験」の起源があり、それは主体的に感じる能力(sentience)や意識の出現につながっている。

タコはまるで心脳問題をまぜかえすためにいるような生物だ(脳よりも腕に多くのニューロンがあって、脳とは別に8本の腕が自律的に思考できるかのようにふるまう)。「タコになったらどんな気分か」という問題の中には、そもそも心とは何か、それは物理的な身体とどう関係するのかを解き明かす手がかりが詰まっている。

知性の高さゆえの、タコやイカの茶目っ気たっぷりの行動や、急速な老化や死の謎など、知れば知るほど頭足類の生態はファンタスティック。おまけに著者が観察している「オクトポリス」(タコが集住する場所)では、タコが社会性の片鱗を示しはじめているという。味わい深く、驚きに満ちた一冊。

(本書裏面の内容紹介より抜粋)

 

エルンスト・ヘッケルのお馴染みタコ絵がカッコいい本書。

非常にボリューミーですが、各方面のタコに関する知識を再確認するのにも有効な一冊です。

 

 

著者/訳者紹介

◯著者:ピーター・ゴドフリー=スミス Peter Godfrey Smith

シドニー大学、科学史・科学哲学スクール教授、ニューヨーク市立大学院センター兼任教授。

1965年、シドニー生まれ。スタンフォード大学准教授(1998〜2003)、ハーバード大学教授(1998〜2003)、ニューヨーク市立大学大学院センター教授(2011〜2017)などを経て2017年より現職。

専門は生物哲学、心の哲学、プラグマティズム、科学哲学。

 

◯訳者:夏目 大

1966年、大阪府生まれ。同志社大学文学部卒。大手メーカーにSEとして勤務した後、翻訳家に。

主な訳書にフリードマン『ヨーロッパ炎上 新・100年予測』、リンデン『脳はいいかげんにできている』など多数。

 

タコの心身問題――頭足類から考える意識の起源

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