陶器のタコ@長瀬渉「海陶記」
長瀬渉展「海陶記」
会期:2019年 1月16日(水)〜21(月) 10時〜19時(最終日は午後5時閉場) 会場:東京。日本橋三越本店本館6階 美術特選画廊
長崎県 波佐見町を拠点として活動している気鋭の陶芸家、長瀬渉さんの個展です。今回のテーマは
「海と過ごし、生まれる作品達を、陶に記す。」
会場では、確かな表現力に基づく生き生きとした海の生きものたちが、陶器に姿を変えて出迎えてくれます。
長瀬さんが描く生きものたちは、いきている瞬間をフリーズしてしまったかのように生命力に溢れています。美しくてみずみずしい。リアルなだけでなく何処となくユーモラスさもある。さらに目に宿る虹色の光が、表情に豊かさを与えています。
素晴らしい作品の数々の中、私tacotacoのお気に入りは、やはりタコ。今回、タコ作品は2点ありました。
一つは、会場画廊正面のウィンドウに展示されているこちら。(写真は購入したカタログより抜粋)
「塩釉蛸壺石蟹図」 サイズ:25×25×30㎝
タコはカニが大好物。フジツボがびっしり生えた年季が入った蛸壺の中で暮らしていたタコが、近寄ってきた大好物のカニを捉えようとツボの外に出たところ。カニは、タコの腕をちょん切ろうと、ハサミをしっかり構えています。さて この勝負、どうなるのでしょうか。。。頑張れ!タコ。
そして、もう一つは、販売しているカタログの表紙になっているこちら。
「自然釉灰被蛸壺」 サイズ:15×17×33㎝
どうでしょう、このバランス感覚!タコが蛸壺という宇宙船から出て、大海原という宇宙に浮遊するかのような構図。
タコの皮膚感覚、吸盤の一つ一つに到るまで、丁寧で美しい仕事ぶりにため息が出ます。
蛸壺の質感も見事。絶妙な濃淡のある彩色も美しい。
そして、こちらが今回出品されている作品群。それぞれの生きものを、ぜひ直接、至近距離で見て頂きたいと思います。
会場では、展示作品の他にも、お手頃価格の作品がありました。今回の作品カタログ、秋刀魚類の箸置き類、柄違いのウミウシリングなども販売中。ぜひ会場で、長瀬ワールドに浸ってください。